<父の思い出 ④>

さて、ミャンマーから帰国した父は、考え込むような所が見え、焦っている様にも感じました。 相変わらず、懐かないitoitoでしたが、遠くから、そんな父を観察していたように思います。

縁側で、葉巻をくゆらせていた父の姿は、特に印象に残っています。 

 

そんな父が、2年後、再度海外へ出て行ったのです。 ミャンマーからの帰国は、船だったと思いますが、ベルギーへ発つ父はエールフランス航空。 2年間自宅で悶々と過ごしていた時に比べて、華やかさがあった様に感じ、それが似合っていましたね。

さてさて、ベルギーに行った父は60歳代半ば過ぎ。。。 そんな父にフランス女性の恋人が出来た! 今の様に、メールがある訳でなく、スカイプが出来る訳でもなく、ひたすら手紙だけで、母に離婚を迫った父でした。(笑)

「itoチャン、オトウサンから、こんな手紙が来たけど、どう思う?」と相談を持ちかけられてもね~。。。

「好きにしたらって返事を書いたら。」と言ったitoitoでしたが、頭の中ではソロバンをはじいていましたね。 「この先、私の人生は如何なるか?」って。

手紙が行ったり来たりには、時間が掛かりますので、そうこうしている内に、結構時間が経過したようでした。

ある日の事、「今朝ね、夜が明けたくらいの早い時間に、勝手口の木戸を叩く音が聞こえてね、起きて見たけど、誰もおらんのよ、可笑しな事があるもんじゃね。」と母が話しました。

 

そして、その日の日暮れ時、外務省から1通の長い弔電が届きました。 春3月の事です。